こんにちは広島大学病院矯正歯科です。
今日は「こどもの顎関節症」の話。
顎関節症は顎の関節に痛みが出たり、口が開かなくなる病気で、とても有名ですが、実はその成り立ちも対処法も不明なことが多いのです。
顎関節学会を中心に調べられていますが、なかなか難しいです。
歯科医師になるため、歯学生の教科書にも含まれていますが、対処法までしっかり理解できている歯科医師は非常に少ないのが現状なのです。
保険で治療が認められていて、マウスピースを入れている歯科医院も多いですが、実際にどこまで詳しいかと言われると??なことが多いです。
われわれ矯正歯科には2人の学会専門医がおり、科をあげて研究を続けています。
ありがたいことに最近では少しずつ知名度が上がってきて、広島近隣の個人医院様から多く紹介をいただくようになりました。
今回はさらに進んで、私たちが取り組んでいる『こどもの顎関節症』の話。
子供に対して治療を行っている病院は世界的にもほぼないため、なかなか知見が増えていかないのです。
顎関節の構造がしっかり出来るのが10歳前後のため、"原則としては" それまでに悪くなることは少ないと考えられていました。
ですが!!当科の多くの子供さんのデータから見ると、早い子では6歳から発症している子もいるのです。
これだけ早く発症してしまうと、その後確実に速いスピードで進行します。
何が問題かと言うと、顎関節は下顎の成長の中心なのです。
こどもの顎関節症を放っておくと、下顎の成長が悪くなっていわゆる出っ歯の骨格になりやすかったり、顔が左右にゆがむ可能性もあります(研究結果もでています)。
こどもの顎関節症はいまだ放置されがちなのを私たちは心から心配しています。
お子さんのあごがポキポキ鳴っていたり、痛みがあればぜひ、お早めにご相談下さい📞
広島大学病院矯正歯科 顎関節症チーム